アメリカの大手ゲイブログAfterEltonで選ばれた「最高のゲイ映画50」を1位から順にレビューしていく企画
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トーチソング・トリロジー
「最高のゲイ映画」12位に選ばれたのは、1988年のアメリカ映画。

“Torch Song Trilogy”
torch_song_trilogy

トーチソングっていうのは、センチメンタルな失恋の歌のこと。

主人公はそんなトーチソングを歌う女装のエンターテイナーで、この映画はそのタイトル通り、彼の恋と人生を、ユーモアと温かさを一杯詰め込んで、三部構成で見せてくれるとっても感動的な映画ですv

超お勧め!!!

(以下はネタバレですので、まだ映画をご覧になっていない方は、先にDVDをレンタルされることをお勧めします^^)

正直、最初に主人公のアーノルド(ハーヴィ・ファイアスタイン)さんが登場した時はちょっと引きました;
torch song2

こ、これは濃いっ!

(^-^;)

しかもご自分で言ってる通り、声もガラガラのオヤジ声;

ついていけるかどうかちょっと心配だったんですけど、直ぐに濃くてだみ声のアーノルドさんが可愛く見えてきました♪


三部構成の最初のパートは、彼がブロンドで背が高くてイケメンのエドと恋に落ちるところから始まります。

(私のタイプでは全くないけど、ハンサムっていう設定のエド)
torch song3

でもバイのエドは、自分が男と付き合ってるってことがどうしても受け入れられなくて、結局ガールフレンドを作ってしまい、それがアーノルドにバレて、二人は別れることになります。そしてエドはやがてその彼女と結婚するのでした。


そして第二部で、アーノルドは彼にとっての運命の相手、アランに出会います♪


アラン役はなんと、Sex and the Cityのサラ・ジェシカの旦那、マシュー・ブロデリック!

当時(80年代)はアイドルだったみたいで、今でもアメリカ人にとってマシュー・ブロデリックと言えば、“Ferris Bueller's Day Off”『フェリスはある朝突然に』のフェリス役↓のイメージ。
ferrisbueller
こちらは白黒ですけど、当時のハーヴィ・ファイアスタインと一緒の初々しいツーショット♪
torch song4

この映画の中ではモデルっていう設定で、タキシード姿で登場するシーンがとても可愛いかったですv

アーノルドが歌うショーでお酒に酔って倒れてしまったアランは、自分を家に連れ帰って介抱してくれたアーノルドに一目惚れします。

そして若くて可愛いアランに戸惑うアーノルドに、すごく積極的にアプローチvv

とうとう二人は付き合うことになります。

その後、結婚して郊外に住んでいるエドが、アーノルドとアランを自分の家に招待するんですけど、このシーンが面白かったです。

エドに会って、アーノルドの元彼がどんな男か気になったアランは、一番手っ取り早い方法でエドをチェックしちゃうんですね。


つまり、やっちゃうんです、エドと…^-^;


これ、ゲイカプならではだなって、ちょっと感心しましたwそれとAIDS以前の話だな~、っていうのも。

浮気は浮気なんだけど、あまりにあっさりしてて、それに若いアランがアーノルドとエドの過去に嫉妬しちゃうのも分かるから、むしろ微笑ましいシーンでした(←変かな?汗;)

そんなことがあっても、というか逆にそんなことがあったから、アランとアーノルドの仲はますます深まって、アランはアーノルドにプロポーズ。一緒に子供を育てるために養子を探す手続きもして、二人は本当の家族になる決心をします。


それなのに…。


(><;)


アランが殺されるシーンは、とっても悲しくてあんまり思い出したくありません。

誰かにとって大切なたった一人の人が、その人のことを何も知らない連中にゴミのように扱われ、道端に捨てられてしまう…あまりにも胸が痛くなるシーンです…。

映画はその後のアーノルドの悲しみや、そこから立ち直るまでをわざと描きません。


第三部では、アーノルドはまたエドと暮らしています。そしてアランと育てるはずだった高校生の男の子、デイビッドを養子にしてる。


アーノルドがどうにかしてそこまで生き延びて来たんだな、って感じさせてくれる、ゆったりした生活感のある情景に救われます。

そこにやって来るのが典型的なジューイッシュ・マム(ユダヤ人のお母さん)である、アーノルドの母親(アン・バンクロフト)。
torch song5

夫の死後フロリダに引退した彼女は、息子がゲイっていうのが気に入らなくて、NYの息子を訪ねて来た今も、アランのお墓でアーノルドが祈りを捧げようとすると、

「あんた達の軽い関係と、一生連れ添った私と父さんの愛情を一緒にして欲しくない。」

みたいな心無いことを口にします。

母親はこういう人だって諦めムードのアーノルドも、亡くなったアランのことを言われて遂にブチ切れ、

「母さんは愛する人を病院で看取ることが出来た。僕のアランはまだ27歳だったのに、道端でバッドを持ったガキ共に殺されたんだ。母さんみたいな人がいるからだ。子供にオカマなんて生きる価値がないって教えるからだ!」

そう怒鳴り返してしまいます。

でもこのお母さんは息子を愛してないわけじゃないんですね。アランがどうして亡くなったのかってことも、アーノルドが黙ってたから事情を知らなかったんです。

その後も話し合おうとしては喧嘩になる二人ですけど、

「もし僕の生き方を尊敬できないなら、母さんと言えども僕の人生に関わって欲しくない。」

アーノルドがきっぱり宣言します。

そして母親がいよいよフロリダに戻るその朝、また喧嘩になった二人ですが、今度は母親の方が言います。

「アランのこと、私に言ってくれなかったじゃない。私をあなたの人生から締め出しておいて、後になって責めるなんてフェアじゃない。」

息子が一番辛い時に傍に居て上げられなかったことに、お母さんの方も傷ついていたのでした。

でも彼女は最後まで息子がゲイだってことを受け入れるわけじゃないし、そのことを謝るわけでもない。

「いまさら変われないわよっ!」

そう言ってのける頑固婆です。

このお母さんにポリティカル・コレクトネスとか、同性愛は罪じゃないし偏見を持つのは悪いことだ、なんて言ってみても始まらない。

アーノルドの方も、母親のためにゲイであることを隠す生き方をするつもりはない。

でも二人は相手に本音でぶつかることだけはしてる。

エドはゲイであることを隠すために自分の両親と縁を切ってしまった。

少なくともアーノルドは自分の母親にチャンスを上げたし、完全に理解し合うことは無理でも、これからも家族で居ることは出来る。

もしかしたら、少しずつでも歩み寄ることだって出来るかもしれない…。

最後はそう思わせてくれる別れ方でしたvv


映画のラスト、母親が去ってアパートに一人になったアーノルドが、エドが忘れたメガネを拾い上げ、片付けようとしていたデイビットの帽子、フロリダ土産のオレンジの袋を抱えて椅子に座ります。

そして傍のテーブルにあったアランの写真と一緒に、その全てを腕の中に愛おしそうに抱き締めるのです。

愛する人を最悪の形で奪われるという悲しみを抱えたまま、それでも今、その手の中にある幸せを確認するアーノルドの姿。

流れる曲はエラ・フィッツジェラルドが歌う"This Time the Dream's on Me."


そう今度こそ私の夢が叶う…。


うるるっ。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。


このラストに感動しましたっ!


そして昔々、文学少女だった頃(←遠い∞目;)に読んだ本の一節を思い出した。

幸福な家庭はどれも似たようなものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸である。」

1877年に出版されたトルストイの不倫悲劇、『アンナ・カレーニナ』からの引用ですけど、21世紀にふさわしく、これを書き換えるべきじゃないかと思ったのですv


不幸な人生はどれも似たようなものだが、幸福な人生はいずれもそれぞれに幸福である。」


幸せは自分で見つけるものだから、幸せな人生こそ、色々な形があるはずですよね?


逆に無理矢理誰かを、「あるべき形」に押し込めようとすることこそが不幸のもと!


それこそパパが二人いても好いし、ママが二人でも好い♪


(*゜▽^)☆


どんな形であっても、自分で選んだ幸せをその手の中に抱き締められる人、アーノルドみたいな人を心から尊敬しますv

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コメント
この記事へのコメント
DVD見てないので、買うかわかりませんが
レンタル探してみます~。なので、今回はレビューは見ません(>_<)

ならコメすなって言われそうですが(汗)

あけぼのさんの好みって私と似てるので、
もしあけぼのさんが、買っても損はないっていうなら買うかもですv
2009/05/26(火) 02:18:57 | URL | ぬっこ #5spKqTaY[ 編集]
ぬっこさん、こんばんは
>買っても損はない
うーん、でもまずレンタルしてご覧になってみてはいかがでしょう?
確かに私もぬっこさんと好みが似ています!(^▽^)ノ
なのでモーターサイクル・ダイアリーズ見ますよ~。
(それでもコメ残して頂いて嬉しいです☆)
2009/05/27(水) 20:36:51 | URL | あけぼの #-[ 編集]
やっぱ
そうですよね、レンタルしたほうが無難ですよね^^
モーターサイクル・ダイアリーズは期待するほどのものじゃないですよ(汗)
ただゲバラが好きなんで、気になって見たんです~。
コメすなって言われなくてよかったww笑
2009/05/28(木) 01:03:59 | URL | ぬっこ #-[ 編集]
ぬっこさん、こんばんは
>モーターサイクル・ダイアリーズは期待するほどのものじゃ
そうなんだ;
じゃあやっぱりまずレンタルですね^^
ガエルはゲバラに似てるから気になりますv
(もちろんコメもご訪問もいつでも大歓迎ですよ~♪)
2009/05/28(木) 19:43:13 | URL | あけぼの #-[ 編集]
私もこの映画が大好きで大好きで
劇場に3度も出かけました。
DVDも購入して、一生涯この映画を愛するだろうなって思うほどです。
で・・・記事の中で気になった事があったので、不躾かとは思ったのですが書き込みさせて頂きます。

アーノルドが最後に抱きかかえる眼鏡はエドの物です。
母親からのお土産のオレンジ
息子のキャップ、エドの眼鏡、そしてアランの写真。
自分にとって大事な人たちの品々を抱きかかえて
幸せそうに微笑むアーノルドの顔がとても綺麗でした。

2009/06/22(月) 00:27:25 | URL | 徒歩6分 #-[ 編集]
徒歩6分さん、初めまして
あわわ、ご指摘ありがとうございました!
なぜかメガネはお母さんのものだと思い込んでいましたけど、そう言えば母メガネはもっとフレームのはっきりしたものでした;
エドのものが無いな~、って書きながら思っていたのに馬鹿;;
今日はちょっと時間がないんですけど、今度時間のある時に直しておきます~。

(徒歩6分って珍しい?HNですね。何か意味があるのでしょうか?ちょっと気になったので^^)
2009/06/23(火) 20:47:21 | URL | あけぼの #-[ 編集]
10歳の頃から、ずっと同性愛に偏見を持っていました。

今年の春に、ある事がきっかけで拘りが薄くなって、それ以来ネットで同性愛の映画について検索しているうちに、このサイトを知りました。

この映画、ぜひ見たくてレンタルを探したのですが、置いて無くて、中古のセルDVDを手に入れて鑑賞しました。

同性愛を受け入れられない母親の気持ちが、痛々しかった。
受け入れられたらどんなに楽か、自分でよく分かってるんでしょうが、それを認めるのが怖いんでしょうね。
息子の事を知りたい、解りたいっていう母親の気持ちと、「僕の事を恥ずかしいって思わないで」というやり取りは、涙が止まりませんでした。

恋人が目覚める前に素早く身支度を整えるシーンや、アランのアプローチ(エドのアプローチとは、全然違う迫り方!)シーン、アランを恋しいと母に言うシーン、身近な人を物を通じて抱きしめるシーン、
本当に素敵な映画です。

DVDの特典に、アーノルド役の音声解説がついてるんで、近々また見ます!

ところで・・・アランとエドが浮気しちゃうシーン、私はすごくショックだったんですけど・・・ゲイカップルならでは!なんですか・・・。
2011/07/22(金) 01:24:58 | URL | グエル #-[ 編集]
グエルさん、こんばんは
>ところで・・・アランとエドが浮気しちゃうシーン、私はすごくショックだったんですけど・・・ゲイカップルならでは!なんですか・・・。
誤解を招く書き方ですみません(_;)
そもそも私は当事者じゃないし、かと言って、知り合いがそうだっていうわけでももちろんないです。
というか、この映画はAIDS以前の頃のお話で(映画として公開されたのは既にAIDSが広まった後)、ということは、まだ60年代からのフリーセックス、フリーラブのカルチャーが残っている時代で、更に当時のNYのゲイカルチャーを映画等で想像すると、これくらいのことはありそうだよねって感じです^^
それにヘテロの男でも、「女は寝てみないと分からない」的なことを言う人がいるわけで、男同士、お互いそういう考えなら話は早そうかと…。

でも今は全然違うと思いますvv

アメリカの場合、カムアウトする年齢が小学生と低年齢化している結果(90年代には大学生)、ゲイの友達よりヘテロの友達の方が多い子が殆どで、ゲイクラブに行っても若い子を見かけないという話も聞きますし、LGBTの権利に関しては、今現在もどんどん法律が改正され、同時に当事者達だけでなく周囲の意識も向上しつつある気がしますvv

それを思うと、この映画は当時カムアウトされていた方々の置かれた状況や、家族の方の気持ちを理解できる、本当に貴重な映画ですよね。

アーノルド役の方の解説、どんなことをお話されているのか、映画を観てしみじみした後に聞いてみたいです♪
2011/07/24(日) 09:09:10 | URL | あけぼの #-[ 編集]
アランとエドのシーン、すごく唐突に思えたのと、お互いに好意を感じてる様子もないし、なによりアーノルドが悲しむのが分かってるのに何故?何故?でした。

でもこれ、男をめぐって昔の彼女と今の彼女ならば、場合によっては舌戦やビンタくらい起きたかも(笑)
ののしりあいじゃない方法だった・・・って解釈しておきます。
2011/07/25(月) 07:21:31 | URL | グエル #-[ 編集]
グエルさん、こんばんは
あのシーンはエドの浮気(女性との)と違って
なんとなくアランが健気に思えたせいもあって
けっこう微笑ましく見れてしまったんですけど
そう言われてみると、ののしりあいとか殴り合いより
よほど平和的な解決法だったのですねw
2011/07/26(火) 19:27:35 | URL | あけぼの #-[ 編集]
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