アメリカの大手ゲイブログAfterEltonで選ばれた「最高のゲイ映画50」を1位から順にレビューしていく企画
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Superheroes~ドキュメンタリー
タイトル通り、「なりきりスーパーヒーロー」として悪に立ち向かう、実在のオタク達をフィーチャーしたドキュメンタリー映画。

“Superheroes”
194Superheroes poster

このブログで以前、『キックアス』という映画をご紹介しましたけど、これはまさにリアル版の『キックアス』。

アメリカには現在、自称「スーパーヒーロー」としてネット上で登録している人が300人以上いるそうですが、映画はそんな彼らへのインタビューや毎晩のパトロールの様子、仲間同士の結びつきを通して、彼らの内面やそのモーチベーションに迫ります。

これを「ゲイ映画」のカテゴリーに入れるのはちょっと無理があるんですけど(汗)、フィーチャーされている「なりきりヒーロー」の一人はゲイの男の子ですし、以前にも書いたように、一般にアメリカのオタクはとてもゲイフレンドリーで、かつオープンリーゲイなマンガ家の方も多いということで、最終的にこのドキュメンタリーも「ゲイ映画」のカテゴリーに入れさせて頂きました♪(←言い訳が長っ;

それにプロデューサーのセオドア・ジェームス氏はカムアウトしてるゲイ男性で、彼のインタビューもとても面白かったので、それも一緒にご紹介です^^





映画の冒頭、

「パトロール中に、男に踏みつけられている女性を発見して、警察が来る前に男を追いかけて袋小路に追い詰めた」

という自らの武勇伝を、劇画タッチの画面(↓左)に合わせて語るのは、なりきりヒーローのミスター・エクストリーム(↓右)。
194superheroes-documentary0

映画は続けて、そんな街のヒーロー、ミスター・エクストリームの一人暮らしのアパートを映し出します。

狭いアパートの中、ゴミの山に埋もれるように置かれたテーブル、カウチ、そしてTV。

TVの画面にはパワーレンジャーが延々と流され、キャラクターグッズもしっかりモニターの上に配置されています。

「私人逮捕(citizen's arrest)*についての法律も調べたし、相手をやっつけるやり方も知ってる。」(*現行犯などを司法職員でない私人が逮捕すること)

そう言いながら、ゴム人形のダミーに空手チョップをお見舞いするミスター・エクストリームの姿は、でも本人がかなりふくよかな体型ということもあって、「えい、えい!」ってやるのを見てるうちに、

「おいおい、こいつ大丈夫か・・・?」(汗)

と言いたくなるほど、何やら物悲しいものが…。

パトロールに出かける前に、大げさ重装備なヒーローコスに着替える時、自分は虐待を受けて育ったって彼が言うんですけど、それにもつい納得してしまうというか、ヒーローを演じる彼の孤独な本音を見てしまったような気がして、さらに悲しい気持ちに…;


続いて登場するのは、いかにもスパイダーマン的なNYのビル街で、トレーニングに励む怪しげな若者ヒーローの姿。
194superheroes-documentary1

彼はジマー(Zimmer)くん(↓左)と言って、仲間(↓右3人)とNYのブルックリンに住んでいます。
194superheroes-documentary2

どうして、彼だけが素顔でマスクをしていないのかと言うと、ご本人曰く、

「マスクの影に隠れるのは、クローゼットに隠れるのと同じ気がして嫌なんだ。」

ということで、ジマー君はオープンリーゲイの男の子。

仲間の一人は女の子ですが、残りの二人は元はドラッグの売人だったとかいう強烈に怪しい男の子達。

そのうちの一人は、

「何もかもに絶望して死のうとしたけど死ねなかった。でもそれで目が覚めたんだ。」

ということで、同じような痛みを抱える相手を見つけて仲間になったそう。

もう一人は、

「早く悪い奴らを見つけたい。そいつをぶん殴りたくてたまんねーんだ。」

という、「こいつとは絶対に夜道では会いたくない…」という感じの要注意人物;

この4人で何をするかと言うと、

「ホモフォブをおびき出して制裁を加える。」


ということで、ジマーくんがわざとゲイっぽい格好(透け乳首的なメッシュのシャツとか)で夜中のブルックリンを徘徊し、全員がウォーキートーキーを持って連絡を取り合いながら、彼をバックアップするというもの。

でもそもそもブルックリンは中流クラスの家族が住む割りと安全なエリア。しかもマスクを付けた恐ろしげな男が二人、スケボでジマーくんの後を付けて回っているわけで、冗談でもジマーくんに近づく奴はいません(^^;

こう書くとバカみたいですけど(汗)、でもジマーくんはちゃんと怪我人の応急手当が出来るように資格も取っていて、その夜もホモフォブは見つけられなかったけれど(笑)、車に足の指を引かれたホームレスのおじいさんの応急手当をしてあげます。

女の子が囮の夜には、ドラッグでハイなまま運転中の男を見つけて警察に通報したり、この4人組はジマーくんが中心になって、それなりに統制が取れているのが面白い。(狂犬2匹を従える姫、という設定についつい萌え…w)


ミスター・エクストリームはアジア系っぽかったし、他にもユダヤ系のマスクヒーロー↓がいたり、
194superheroes-documentary3

空手の先生でヒーローをしてる人、62歳になる今まで一人で孤独にヒーローをしてきた男性、夫婦ご近所誘い合わせてヒーロー活動をしてる人達↓まで、様々ななりきりヒーロー達が続々と登場。
194superheroes-documentary4

中でも驚いたのが、フロリダで非営利団体の資格を持つ、ヒーローグループ「チーム・ジャスティス(正義)・メンバー」を率いる、マスター・レジェンド。
194superheroes-documentary5

非営利団体になれば寄付金なども受けられるわけで、どうしてそんなことが可能なの?と思ったら、彼らはヒーローコスで施設の子供達にオモチャや衣服の寄付を届ける等、ちゃんとした(?)慈善活動も行っているのでした。

マスター・レジェンドは地元でも有名人らしく、「最初は変な奴だと思ったけど、今じゃ尊敬してるよ。」という街頭の声もvv

孤独なヒーローだったミスター・エクストリームにもやがて仲間↓が出来て、痴漢の逮捕に貢献したとして、ちょっとした公演を依頼されたりもします。
194superheroes-documentary8

ちなみに私のお気に入りは、このミスター・エクストリームのお仲間の彼w

途中、いかにもオタクな彼らの「武器」が色々紹介されるんですけど、彼の緊張感のないコメントに癒されました。

「メース(mace)を(間違えて)自分に噴射するのって最悪~。ペッパースプレーもほんと最悪~。」(笑)

まあ、笑い事じゃなくて、私も護身用スプレーは持ってますけど、これってちゃんと練習してないと、いざという時、うっかり自分にかけるってありがちですから…^^;

それと彼、「スーパーヒーローっていっても、仕事に行ったり、彼女と話したり、みんなとすることは同じだよ。」って、カメラに向かってクールに語り出すんですけど、そこで監督がすかさず、

「彼女がいるの?」って突っ込むと、

「まあ話の上のメタファーというか…」って口の中でモゴモゴ言い訳しちゃったり…ww

なんとも憎めない、「こいつとは好い友達になれそうだ!」って思わせてくれるキャラでした♪


コミックの中のヒーロー達も、それぞれに心の傷を抱えていたり、孤独に耐えながら、やがて仲間と結びついていきますが、それは不思議とオタなヒーロー達にも通じるものがあります。

最初は苦笑を浮かべつつ(というか爆笑しつつw)

「なんて情けない勘違いオタ…」

という目で見ていたのに、彼らがそれぞれの仲間を見つけ、例え人とズレたやり方であっても、それなりに自分に自信を付けていく姿を見ていると、最後は胸温まる感動すら覚えましたvv


プロデューサーのセオドア・ジェームス氏↓はこちらのインタビューで、
194Theodore+James

「どうしてゲイの男の子を主人公にした恋愛ドラマじゃなくて、こういうドキュメンタリーを制作するんですか?」

という質問に、

“I wanted there to be a way to showcase gays in a way that would get to the mainstream.”
「メインストリームにゲイをフィーチャーする方法を見つけたかったから。」

と答えています。

ここまで極端なオタク達がメインストリームかどうかは少々疑問ですけど(汗)、でもサンディエゴのコミコンといえば、ハリウッド映画のプレミアが大々的に行われ、大物スター達がプロモーションに訪れる、今やオタクの祭典というよりは、ハリウッド主導型の一大イベント。

そんなコミコンで、色んな人種や性別、性的指向、職業、背景やカルチャーの違うオタなヒーロー達が主役のドキュメンタリーを公開し、彼らをそこに結集させるのは、ある程度メインストリームに食い込むことになるのかもって思いました。

私が言うのも何ですけど(汗)、

アメリカってほんとに色んな奴がいるんだなぁ…w

って、なんだかミョーに元気が出るドキュメンタリーで、笑いあり感動ありの、意外に深いドキュメンタリーですので、もし日本で公開されるようならチェックしてみて下さいねvv


そう言えば、映画とは関係ないけど(汗)、例のリンゴ社の新しいCEO様(↓左)は、 OUTマガジンで「世界一パワフルなゲイ」に選ばれた方。
194steve-jobs-tim-cook
退陣したカリスマ社長自ら指名した彼の肩に、これからのリンゴ社の命運が掛かっています。

ハイテク業界ではオープンリーゲイな方の活躍はもう当たり前になっていますけど、これだけの優良企業の社長様はさすがに初めてということで、これからのご活躍が楽しみですvv


最後は例によってトレイラー。


にほんブログ村 映画ブログ 外国映画(洋画)へbanner11
『もしこの記事が面白いと思って頂けたら、ランキングのボタン↑をプチプチお願い致します』

全然関係ないけどタイバニ見たい…;
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
@松島&町山未公開映画行きかw
どうであれ、見たい!
日本で公開なしとなったら、
東京MXの再起を狙っている
”松嶋&町山未公開映画を見る」で
いいから見たい!

この番組のいいところは、
イタかろうが、残酷だろうが
アメリカの、世界の真実をとらえた
優良なドキュメンタリー映画を取り上げてくれるところ。

残念ながら春先にいったん終了したけど、
また、帰ってきて欲しい番組です。

にしても、ほんと”キャプテンアメリカ”だなと
思いましたが、
その一方でどこにもない勇気で進む、
その行動力はうらやましかったり。

でも、どうか気をつけてと
願っています。
2011/08/30(火) 06:08:16 | URL | すずら #l6TKZH6o[ 編集]
すずらさん、こんばんは
>どうであれ、見たい!
『キックアス』がお好きとおっしゃっていたすずらさんには
そう言っていただけるのではと思ってましたv
>日本で公開なしとなったら、
ほんとTV放送でいいから
というか、その方が沢山の人に見てもらえるし
ぜひぜひ考えていただきたいです~。

私もなんだか最近はフィクションより
優良なドキュメンタリーに夢中かもです^^
このドキュメンタリーは、
オタクヒーロー達の勘違いな面も含めて、
コミカルに、シニカルに見せつつ、
それでも目線はあくまで温かくて
彼らの姿を通して色んなことを考えさせられる
実に優良なドキュメンタリーだなと思いましたvv

>でも、どうか気をつけてと
警察の方も一応目を配ってくれているようでしたが
ほんと気のあった仲間を増やして
危なくないようにねって思いますv
2011/08/31(水) 20:45:38 | URL | あけぼの #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。