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キャピタリズムとインサイド・ジョブ
2008年、リーマンブラザーズの経営破綻から始まった世界的金融危機を題材にした二つのドキュメンタリー。

『キャピタリズム~マネーは踊る~』と『インサイド・ジョブ』
191posters

『キャピタリズム~マネーは踊る~』(Capitalism: A Love Story)は2009年に公開された、ご存知マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画ですが、2010年のアカデミー賞にはノミネートすらされていません。

『インサイド・ジョブ』は2010年に公開され、ドキュメンタリー部門で今年のアカデミー賞を獲得しています。

これだけ評価が分かれたわけですが、私的には正直、どちらも「・・・」な感想でした^^


『キャピタリズム』はいつものマイケル・ムーア的なドキュメンタリーで、監督の主観がとにかく全面に押し出されていて、彼の主張をバックアップする事例を見せられている、という感じ。

しかも途中からマイケル・ムーア監督が宗教に救いを求めていって、それで映画のフォーカスが失われ、見てる方は「え?なにそれ?」ってなってしまいます。

ただ、私が思うに、これに関しては彼が確信犯的にやってることかと…。

オバマ大統領が当選してから、アメリカではティーパーティと呼ばれる超保守派が無視できない勢力を持ってきていて、残念ながらこれから選挙の行方にもますます影響を及ぼすことになりそうなのですよね。

そんなティーパーティの信奉者、もしくは彼らの予備軍を説得しようと思ったら、資本主義(拝金主義)を悪として、宗教的価値観の対極においてみせるのが、確かに分かりやすいんだろうと思うのです。

もともと自分のファンだったような、それなりに経済的余裕のあるリベラルな観客だけに受ける映画を撮るより、こういうやり方を選んだことを私的には評価しますv

金融破綻から1年足らずで映画を作り、様々な問題提起をしたのもさすが。

笑えない問題に、ユーモアを盛り込む作り方も上手いですしねw

ただ、『華氏911』や他の作品と比べると全体に纏まりがなくて、気になるトピックを扱っていても、リサーチが足りないせいか何なのか、中途半端で説得力に欠けるのが残念でした^^

ちなみに一番感動したのは、「ハドソンの奇跡」を起こしたチェズレイ・サレンバーガー機長の話。
191Crew+Airways+Flights+1549+Testify

彼がアメリカ議会でパイロットの置かれた過酷な状況について証言していた事実は、メディアでは殆ど取り上げられずにスルーされていました。あれだけヒーローとしてもてはやされてもメディアで浮かれ騒ぐことなく、逆に自分にとってはもう何のメリットもないのに、他のパイロット達のため、そして乗客の安全のために言うべきことをきちんと言う…。

あの状況で不時着を成功させたことももちろん凄いけれど、それ以上に、その後の彼の行動こそ、まさにヒーローだ!って思いましたvv


一方の『インサイド・ジョブ』は『キャピタリズム』から一年近く遅れて公開されていますけど、その割には内容がなくて、それまでに散々ニュースや報道番組等で言われていたことが殆ど。

なんと言うか…Too Little Too Late?

その程度のことを今更言われても…って感じで、アカデミー賞に期待していたせいでかなりがっかりしました;

それに、一般のアメリカ人をフィーチャーして彼らの声を拾った『キャピタリズム』に比べ、インタビューされてるのがみんな金融関係のエリート達で、それぞれ最もらしいことを述べてはいるけれど、一応は「善の側」として登場する人達も突き詰めればみんな“Part of the Problem”(問題の一部、つまりこうなった原因を作った側)という感じが拭えません。

『キャピタリズム』がアメリカの低所得層に訴えかける形で作られているのに対して、『インサイド・ジョブ』は大学の講義みたいなエリート臭がプンプンして、なんかこう、見てるうちにデコにピキっと青筋が…(イラッ

私自身も友達も、そして私の周りにいる多くの人達が多額のローンを抱えていて、中には州外に引越しを余儀なくされる等、あの不動産バブルの崩壊で人生変わった友達も何人もいます。

目の前でみるみるうちに雪崩が起こって飲み込まれたようなあの破綻を、後からアカデミックに語られてもイラつくだけ。

そんなことはもう分かってるからさ、政治家とかIMFの議長とか、色々と地位や身分や権力のある皆様、そこに座ってカメラの前で偉そうに話してないで、今すぐ何とかしろ!おいっ!!

と、言いたくなる^^

ベイルアウトに使われた気の遠くなるような額の税金はどこへ消えたのか?どうして税金を払ったアメリカ国民の負債の軽減等に回されなかったのか?そういう肝心な点に触れもしないのも、何だかな…って感じです。

知的階級の人間が、同じようなレベルの人間のために作った映画という感じで、ドキュメンタリーとしては弱いなぁって気がしました。


それでも、この二つのドキュメンタリーが共に訴えていること、

「80年代のレーガン政権から始まった富裕層への減税、そして大企業や金融機関への規制緩和が、現在アメリカが抱える問題を作り出した。」

これには全面的に賛成です。

本来なら今回の債務上限の引き上げも、富裕層への増税と経費の削減という大きな柱で支えられるべきものだったのに、そうならなかったためにS&Pのレイティングが下がったこともあって相場は大荒れ…。

円高が進む日本を始め、世界中に多大な迷惑を掛けています;

まあ格下げに関しては、肝心な時にいい加減なレイティングしかしてこなかった格付け機関が、いまさら何を言うやら…って気はしますけどねっ!(`Д´)

ちなみに、こちら↓は今日の時点でのS&Pの世界各国のレイティング。
191credit rating
(青が濃い程ベストAAAで、赤が濃いのは最悪、黄色は中間で、白はデータなし。)

これを参考にすると、アメリカの国債を売ってカナダの国債を買う人が続出することになりますねw

しかもこれからフランスやドイツまで格下げする、とか言ってるらしいですけど、ヨーロッパにこれ以上の混乱を招いたらどうするつもりだろ…。


こちら↓は英語ですけど、やっぱりとても分かりやすい、現在アメリカが直面している状況の説明。


どうしてこうなったか?という説明、そして最後の結論(現状は難しすぎて何も出来ない)には賛成できませんけど…。

直ぐにでも出来ることはあるはずなんです。それをやらせないように躍起になってる連中がいるだけで。


来年の選挙は夢も希望もない、まさに“Voting for Lesser Evil”、ちょっとでもマシな方に投票するだけのことになりそうですが、それでも投票しなければ!!

今夜の共和党の大統領候補のディベートを一瞬だけ(笑)見ましたけど、まあ、ティーパーティ代表のおばさんを始め、恐ろしい面子が揃ってました;

今のところ共和党ではテキサス選出のロン・○ール下院議員(←『ブルーノ』でサーシャ・バロン・コーエンにおちょくられてた人w)が優勢だそうですけど、この人も頑ななまでの超保守路線で、絶対に大統領になんてさせられません!つか、出来れば今すぐ議員も辞めていただきたいゎ…。

なんか映画の話と関係なくなってきましたけど(汗)、今アメリカが抱えている問題は、あの金融危機をうやむやに処理したつけだと思うと、それに対して異なるやり方で問題提起したドキュメンタリーは、その内容には不満が残るとはいえ、やっぱり見るべきかと思いました。

最後は例によってトレイラーです。

『キャピタリズム~マネーは踊る~』


『インサイド・ジョブ』


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コメント
この記事へのコメント
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2011/08/14(日) 07:01:24 | | #[ 編集]
秘密のコメ様へ
こちらこそ、コメントありがとうございました!
でも映画を観た人でないと意味不明な内容ですみません;
それでも読んでいただけて嬉しいです☆
2011/08/14(日) 18:44:29 | URL | あけぼの #-[ 編集]
@いずこも
尻に火がついているのに
”武士は食べねど、高楊枝”みたいに
さっちょこばってる経済のような気が・・・

かっこつけたところで、
お腹も家も十分、着る物も間に合ってないのにね。

金融の勉強してきて雄弁を振るうわりには、
どうなのよってのは、国内外関係なしだなと。

もう拝金でも、宗教でもなんでもなくって
”みんなが笑顔で生活できるようにしなくちゃ”っていうのに、
なんで一致団結できないんだ、政治家ども!ですv-217
2011/08/16(火) 23:42:07 | URL | すずら #l6TKZH6o[ 編集]
すずらさん、こんばんは
>尻に火がついているのに
日本も円高とは言え、決して不安材料がないわけではないし
やっぱりいずこも同じですよね;

ほんとに衣食住の基本すら
安心して確保できないようになったらおしまいです!

それなのにほんと
どうなってんのって言いたくなる政治家ばかり…
自分さえ良ければ、な人間が多すぎます。

かと言って投票しなければますます酷くなるだけだし
苦しい選択ですよね(泣
2011/08/17(水) 18:46:17 | URL | あけぼの #-[ 編集]
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