アメリカの大手ゲイブログAfterEltonで選ばれた「最高のゲイ映画50」を1位から順にレビューしていく企画
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ドン・レモンさんのカムアウト
CNNのアンカーの一人、ドン・レモン氏が著作、『トランスペアレント』の中でゲイであることをカムアウトされました。
180don-lemon-transparent

家族にはもちろん職場でもカムアウトしていたというレモンさんは、本の執筆をきっかけにゲイであることを公にする決断をされたそうです。

"I think if you're going to be in the business of news, and telling people the truth, of trying to shed light in dark places, then you've got to be honest. You've got to have the same rules for yourself as you do for everyone else."

「ニュース報道に携わって人々に真実を伝え、闇に隠された部分を暴こうとするなら、自分自身も正直であるべきだし、他の人々に求めるのと同じルールを自分にも当てはめるべきだ。」

以下は“こちら”の記事から抜粋の意訳。

ドン・レモンは3人姉弟の末っ子で、女性だけの家庭に育ったが、幼い頃から自分自身に誇りを持っていた。「アメリカ大統領にだってなれると信じていた。なりたいものにはなんでもなれるって言われて育ったんだ。」

しかし南部ルイジアナ州の小さなコミュニティでゲイとして育った彼は、自分が他の子供達と違うという気持ちを抱いていた。でもそれこそが、後に自分の役に立ったと彼は言う。「そのことで人の振る舞いに対する洞察が鋭くなった。」

“I felt empathy for people who were shunned, who were bullied, who were teased. It made me more aware of the human condition at an early age. I don’t know if I would have the same take on world matters and social issues if I were not gay.”
「僕は仲間はずれにされたり、苛められたり、からかわれる人の気持ちが分かる。とても若い頃から既に、人が置かれている状況というものを意識するようになった。もしゲイでなかったら、世界的な事件や社会的な問題に関して、同じ受け取り方をしていたかどうか分からない。」

過去10年の間に、レモンはジャーナリストとして、ハリケーン・カトリーナやアフリカでのエイズの蔓延、DCスナイパーといった大きな事件をカバーし、権威あるEdward R. Murrow Awardを受賞している。

2006年にレモンはCNNの特派員になり、やがて週末のゴールデンタイムのアンカーになると、2009年にはエボニー誌で、アメリカで最も影響力のあるアフリカン・アメリカンの一人に選ばれた。

彼のストーリーを回想録として出版する話が出版社から持ち込まれた時、それは人を鼓舞する内容の短いパンフレットになる予定だった。(別の記事によると、レモンさんは『オバマ時代のアメリカの黒人男性』というパネルのメンバーで、その企画の一環として短い回想録を依頼されたそうです。)

“It was originally going to be an inspiring story about how I became successful, but when I started writing it all of these other things came out. And as I would read it back and become emotional, I said, ‘If I’m going to write a book, I need to tell everything. I need to be transparent.’”
「どうやって僕が成功したかっていう話を書くはずだったのに、書き始めたら他にも色んなことを書いていた。それを読み返すと感情がこみ上げてきて、本を書こう、全てを話して、トランスペアレントになる必要があると決めたんだ。」

そうやって生まれたのは、秘密を抱えた家庭で育ち(父親が誰か教えられなかった)、決して諦めることなく差別を乗り越え、キャリアにおいても人生においても怯まずにチャンスを手にして、やがて勝利を掴んだ男の素晴らしい物語だ。


こちら↓は同僚で友人でもあるCNNの女性キャスターの方とのインタビュー。


このインタビューの中で、特に性的虐待についての質問には、

「性的虐待を受けたこととゲイであることの間には何の関係もないし、その二つほどかけ離れたものはない。」

と、はっきり述べられています。

幼児を性的に虐待する人間の多くはヘテロの男性だし、それに「性的虐待を受けた子供がゲイになる」と決め付ける人も未だにいて、それは「だからゲイは治療すれば治る」という危険な考え方に繋がるので、そういった誤解を招かないように気をつけておられるのだと思います。

こんな風にレモン氏の知性が伺えるとても素晴らしいインタビューで、人種やセクシュアリティに対するステレオタイプを避けるため、実に丁寧に言葉を選んでお話されているので、英語がお分かりになる方はぜひお聞きになってみてください。

このインタビューでもおっしゃっているように、彼の著書は、ラトガーズの学生で、ルームメイトにプライベートなビデオをネットで流された後、自殺してしまったタイラー・クレメンティさんに捧げられています。

Tyler might still be with us today if more gay men and women had chosen to live proudly and openly. It is also dedicated to the millions of young, gay people who believe they are alone when dealing with their own sexual identities. You are not alone! There are people, like me and many others, who are thriving in their personal and professional lives and although we sometimes have a hard time with it ourselves, we are here to show you by example that you too can overcome any obstacle as long as you stay strong and, most of all, stay alive.”

「タイラーさんは、もしもっと多くのゲイ男性や女性が誇りを持ってオープンに生きることを選んでいたら、まだ僕らと共にいたかもしれない。この本を、性的なアイデンティティと向き合いながら、自分は一人ぼっちだと思い込んでいる何百万という若いゲイの皆にも捧げる。君は一人じゃないよ!僕や他の沢山の人達が、プライベートでもキャリアの上でも成功している。困難な時もあるけれど、強さを持ち続ければ、そして何よりもまず生き続けるならば、障害は乗り越えていける。そのことを示すためにこそ、僕らはここにいるんだ。」

メジャーなネットワークのアンカーでカムアウトしているのは、MSNBCのレイチェル・マドーとトーマス・ロバーツの二人だけで、アフリカン・アメリカンとしてはもちろんレモンさんが初めてとなります。

CNNの人気アンカー、アンダーソン・クーパーが公にカムアウトしない理由として、政治や経済、社会問題といったハードニュースのアンカーがゲイだと分かると、ニュースの内容に対する意見を真剣に受け止められないのではないか、といった懸念があることが挙げられていました。

人種差別の歴史を持ち、教会を中心に結束が固く、マッチョであることを求められるアフリカン・アメリカンのコミュニティで、ゲイとして受け入れられるのは非常に難しいし、そのことに対しては幻想を抱いてはいない、とレモンさんは語っています。

色んなマイナス面を考慮してなお、それでもカムアウトなさった彼の勇気にとても感銘を受けました。


今日、5月17日はIDAHO(International Day against Homophobia and Transphobia、ホモフォビアとトランスフォビアに反対する国際デー)でした。

レモン氏のような方が声を上げていかれることで少しでも偏見がなくなること、そして例え少しずつでも、そんな偏見に負けない強さを持つ子供達が増えていくことを願っています。
スポンサーサイト

コメント
この記事へのコメント
@どうしてそうなのか?
ゲイであることをカミングアウトするのも
勇気も人の目もまだまだなこの国で、
私は別の意味での”差別”を、
”たった一人の人間が過ちを犯した
イベントに行っていたことだけで”
実の母親から受けていましたね。

レモンさんほどじゃないかもしれなかったけど、
屈しませんでした。
だって”それが悪いとも思わなかった”し、
母ではなく、祖母に教えられた
”警察のご厄介になるようなことをしなければ、
自由に生きていいんだから”を
旨としていたところがありましたね。
(警察のご厄介どころか、今じゃ日本の産業の一手を
担うほどの規模をもった”趣味”ですからね)

本当、なんか「性的虐待を受けたから」とか
「病気だ」とか言う人が、すべて私の母親に見えます。

それだけのつまらない見識しか持ち得ない
残念な人なんだと今は思えます。

2011/05/18(水) 03:36:15 | URL | すずら #l6TKZH6o[ 編集]
すずらさん、こんばんは
家族の理解を得られないのは一番辛いですよね。
レモンさんの場合はまずご家族の理解を得られて
職場でも上司や同僚にサポートされてきた
かなり幸運なケースのようです。
それでも公にカムアウトするというのは
これからのキャリアを考えたら
かなりの賭けになるということですね。。。

でも逆にこれからはLGBTに関する問題だけに留まらず
様々な差別や偏見をレポートするジャーナリストとして
大きくステップアップしていって欲しいと願っていますし
彼の番組を見ることで応援していきたいですvv

お祖母さまのおっしゃる通り
誰だって自由に生きていいはずだと私も思っています♪

>本当、なんか「性的虐待を受けたから」とか

再選されてしまった某都知事も言いそうなことですよね;
「日本の産業の一手を担うほどの規模をもった趣味」を
潰そうとするかのような条例を押し付けたり。。。
「それだけのつまらない見識しか持ち得ない残念な人」の
なんと多いことかと溜息が出ます。
2011/05/24(火) 20:41:40 | URL | あけぼの #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。