アメリカの大手ゲイブログAfterEltonで選ばれた「最高のゲイ映画50」を1位から順にレビューしていく企画
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スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団
2010年にアメリカのゲイ男性から「最高のゲイ映画」第45位に選ばれたのは、2010年アメリカ公開のコメディ映画

“Scott Pilgrim v. The World”『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』
179Scott-Pilgrim-vs-the-World-poster

それって、マイケル・セラがゲイ役ってこと?!

なんて驚かれた方は…いませんよね;

お察しの通り、マイケル・セラはいつも通り、オタクでへたれな愛すべきダメ男子です^^

映画はそのマイケル・セラが主人公のスコット役、夢に現れた理想の彼女を手に入れるために、彼女の昔の彼氏やセフレ達を7人、ゲームバトル方式で倒していくという設定で、原作の『スコット・ピルグリム』というコミックにかなり忠実に作られているそうです。

じゃあ何でそれが「ゲイ映画」なの?っていうのは、私も映画を観るまでは???でしたw

でも、見終わった後、この映画を「最高のゲイ映画」に選んだ方のセンスに脱帽!!

そして余りにセンスがない、というより映画の本質を無視した邦題には脱力…(^^;




この映画、文字で説明するとほんっとに詰まんないです;

主人公のスコット・ピルグリムは22歳で無職。友達とやってる、かなりイケてないバンドのベーシスト。
179scott-pilgrim-vs-the-world1

イケてる元カノに振られて以来、ずっと立ち直れないでいる彼は、バンド仲間の冷たい目線に晒されつつ、まだ17歳の高校生、中国系のナイブスっていう可愛い女の子と付き合っています。
179Scott Pilgrim vs the World4

でも手もロクに握ったことがない、っていう清く正しいお付き合いww

そんな彼の夢に、ある夜突然現れたのが、すっごくイケてるピンクヘアの女の子、ラモーナでした。
179Mary-Elizabeth-Winstead-as-Ramona-Flowers

パーティで彼女を見つけて運命を感じたスコットですが、彼女とせっかく仲良くなれたのもつかの間、彼女の悪魔のような元カレ、ギデオンの作戦で、次々に目の前に現れる、彼女の元カレやセフレ達とバトルを繰り広げることになります。


それ以上ゴチャゴチャ細かくストーリーを説明しても、つまんなくなるだけなので止めときますが、この映画の面白さはとにかく、CGでアニメとかゲームの世界を持ち込んで、ポンポンッとテンポよく見せる編集のテクにありましたvv

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(スコットが闘うシーンで必ず登場する吹き出しw)

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(勝ったら必ずポイントをゲット)

まさに、「編集なくして映画は存在しない」って感じw


それと何気にちりばめられた台詞の面白さが最高!!

これはでも翻訳するのはかなりの悪夢だったかも…;

例えば、ラモーナの元カノのロクシーっていう女の子↓が登場するシーンですが、
179scott_pilgrim_vs_the_world6

7人の「元カレ」を倒す覚悟でいるスコットの前に現れたロクシーちゃん。

彼女を見たスコットが「えええっ?!」ってなるのを見て、ラモーナが肩をすくめてみせます。

“It was just a phase.”

この場合のフェイズっていうのは、一過性で過ぎてしまうもの、またはそういう時期を指していて、ゲイでもバイでもないけど同性と付き合ってみてた、なんてまさに“It was just a phase”ってことになりますw

もちろん、ゲイなのにとりあえず異性と付き合ってみた、っていうのも同じく“It was just a phase”(笑)

普通に訳せば、「そんな時もあったのよ」ってなるんでしょうけど、このフレーズは自分のセクシュアリティを認めたくない場合、同性と付き合ってたことの言い訳として使われる典型だったりするので、それをここで何気に言うのが笑える…けど説明すると面白くないですね;

その後の二人のやり取りがさらにクスッとなるんですけど、日本語にするのは難しすぎ…。

ラモーナ: “I was just a little bi-curious.”
ロクシー: “I'm just a little bi-furious!”

英語は韻を踏んでて実にお見事なんですけど、これ、どう訳したらいいんでしょうね?(汗)

さらにロクシーちゃんがラモーナに、

「このハズビアン!」

って怒鳴るんだけど、この素晴らしい造語こそ、どう日本語にすれば…?

ハズビーン“Has-Been”で、「昔は良かったけど今は…」な人を指す名詞になって、そのハズビーンとレズビアンを組み合わせて、今は男と付き合ってる元ビアンな女性をハズビアンって言います(^^;

ちなみにここで映画を一緒に観てた友達が、「そう言えば、この間リズ(仮名♀)と話したけど、あいつ男と結婚したんだって。」と言い出した。

リズは大学の頃はカムアウトしていて彼女がいたので、つまりリズは今…。

「“ハズビアンなのよ”って自分で言ってたからさ、オッケー、どっちでもいいけどおめでとう、って言っといたけど、これ、普通に使うんだね」

ですねーw


この映画の面白いところは、人種的にもセクシュアリティの上でも、特にこだわりなく色んなキャラが登場するところで、スコットが居候してるのは彼のゲイ友、ウォレス↓の小さなアパート。
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(ウォレス役はお兄さん(マコーレー・カルキン)と顔のパーツが全く同じなキーラン・カルキン;)

スコットは夜、いつも一つしかないベッドで、ウォレスとその彼氏、またはたまに引っ張り込まれるセフレ君たちと一緒に寝てたりするんですけど、日によって登場するメンツが違うのが笑えるw

まともに彼女のいないスコットに比べて、ウォレスは超モテ男で、スコットの妹の彼氏に手を出して、「またかよぉ!」って言われてたり…ww


ex達のうち、最初に登場するラモーナの元カレはインド系で、濃いメイク顔でボリウッドダンスのおかしな攻撃を仕掛けてくるし、5番目と6番目は日系の双子(日本人の俳優さん?)と、元カレ達も怪しさ炸裂。
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そんな彼らを倒したスコットが、最後に対決するのがギデオンっていう最強の元カレなんですけど、スコットはずるがしこい彼に一端は負けてしまいます。

でもこれまでのバトルで集めたポイントで再び復活すると、最後は、「ラモーナのためじゃない、自分のために闘うんだ!」と宣言してこれまでになかった力を発揮、見事にギデオンを倒すのでしたw
179scott_pilgrim_vs_the_world

「一体、この映画は何が言いたいんだ?」

と思っていたら、最後はそれなりに、

「自分自身を見詰めて、他の誰かのだめじゃなく、自分のために闘うことが大事」

みたいなメッセージもあったし、何より、

「ゲイ、バイ、レズビアン、その他クイアな奴はいっぱいいるけど、それが何?」

って軽く言えてしまう世界を、ゲーマー世代向けのメジャーな映画として製作したことは評価されるべきかと思いましたv

そういう意味では、これはレディ・ガガ世代のための映画かも♪

No matter gay, straight, or bi
Lesbian, transgendered life
I’m on the right track baby
I was born to survive

「どんなにゲイ、ストレート、バイ、
レズビアン、トランスジェンダーな生き方だって
私にとっては正しいのよ、ベイビー
そうやって生き抜くために生まれたんだから」(“Born This Way” by Lady GAGA~♪)


そう言えば、この映画のプレミアが行われたのは、以前に書いた、オタクが団結してホモフォブ集団を撃退したサンディエゴのコミコン。

このスーパー・ゲイフレンドリーな映画が公開されるのに、ぴったりなイベントだったのですねvv


・・・まあそんなわけで、あの邦題はちょっとないと思う;

おかしな邦題の映画は沢山あるけど、この映画を「VS.元カレ軍団」って言っちゃうと、せっかくのクイアな世界観が全く伝わらないから、もうちょっと考えて欲しかったです。

BECKを始め、色んなミュージシャンが提供したっていう音楽も凄く良かったし、バトルシーンは途中ちょっとダレるけど、DVDだと飽きたら止めて、また気が向いたらスタートできるので結構お勧めです^^

最後は例によってトレイラー。


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コメント
この記事へのコメント
こんばんは~
この映画、ひねくれオタク系の映画雑誌・HIHOで特集されてて
結構ページ数が割かれてたんで気になってたんです
確か主人公のマイケル・セラのことを「永遠の童貞」って呼んでて
立ち読みしてたら余りのハマり具合に噴き出しちゃいました(笑)

そういえば翻訳って難しいんですよね…
昔日本語→中国語翻訳のバイトをしたことがあたんですが
「濡れ手に粟」をどう訳すべきか本気で悩みました
映画とかの台詞はなおさらでしょうね

そういえば昔ドラマ・FRIENDSの大ファンだったんだすが
その中のあるエピソードで
登場人物のチャンドラーが途中で“萎えて”しまうんです
で、家に帰った彼はお気に入りのフーズボールの人形たちに
"You don't know! You are made of WOOD!!"
って毒づくんですよ(笑)
英語を分かる人には“ギンギン”のことを
アメリカでは木に例えてるって分かるから笑えるんでしょうけど
日本語字幕では「この屈辱が君たちにはわかるまい!」
ってなってて、画面上の笑い声とのずれがすごく空しかったです…
2011/05/17(火) 08:11:23 | URL | kenken #2Z5jlXfU[ 編集]
kenkenさん、こんばんは
「ひねくれオタク系の映画雑誌・HIHO」
そんな雑誌があるのですね!
確かにそういう雑誌で特集されるのにぴったりな感じの映画です♪
そう言われてみると、女の子は元カノがいたり、双子としてたり(笑)
そっち方面でかなり積極的なキャラ(?)なんですけど
マイケル・セラは彼女がいる設定でも「永遠の童貞」な雰囲気でしたww

翻訳ってほんとに難しいですよね…;
ある程度から先は言語の問題というより文化の問題で
同じコンセプトがないところに言葉だけくっつけられないというか…
「濡れ手に粟」…英語も思いつきませんっ(汗)

FRIENDSは面白かったですよねvv
英語で聞くと笑えるシーンが吹き替えだと笑えない
つまりコメディの方が難しいのかも?
Woodみたいに(笑)言葉に二重の意味がある場合は特に
台詞で説明するわけにはいかないから
涙を呑んで普通に訳すしかないですよね…。
「この屈辱が君たちにはわかるまい!」
シットコムは笑い声が入るから、ズレてるとますます変だし
意味分かってて上手く訳せないんだとしたら悔しいだろうなーw
2011/05/17(火) 21:09:44 | URL | あけぼの #-[ 編集]
@ジャパニゲーもろ?
キックアス同様、
ひそかに日本に来てくれないかなー映画ですね。
都合が合わず、映画館では未見になりそうですが、
せめてDVDでは鑑賞したいと思っています
全米興行収入の紹介番組で観て、
「うわー、スーパーマリオとかドラゴンボール?
それともストリートファイター??」って
思ったのを覚えてます。
原作の漫画も、なんとなくジャパンテイスト踏み踏み?
(絵柄じゃなく、話のつくりが・・・)

日本人の双子は、斉藤慶太・祥太兄弟。
あだち充原作の映画「タッチ」で上杉兄弟も演じた、
それなりにキャリアはある俳優さんです。

ちなみに、私が映画をみるかどうか参考にしている
TBS土曜のバラエティー「王様のブランチ」にも
出ていました。

それにしても、そちらも結構造語がw
韻を踏むおしゃれさもあり、楽しいと思いましたよ。
2011/05/18(水) 03:27:44 | URL | すずら #l6TKZH6o[ 編集]
すずらさん、こんばんは
この映画、すずらさんもご存知だったのですねv
さすがです~。
バトルシーンが途中ダレ気味になるので(汗)
DVDだとちょうどいい感じかもしれません^^

>全米興行収入の紹介番組で観て、
効果音がまさに
スーパーマリオ以来の懐かしい感じでw
ほんとジャパンテイストにも溢れていましたし
そういう意味でも見やすかったです♪

>日本人の双子は、斉藤慶太・祥太兄弟。
CGじゃなくてほんとに双子の俳優さんなんですね!
「タッチ」が映画になっていたことすら知らず。。。汗
バラエティーもこちらでは見られないので残念です;
日本ってドラマよりバラエディーの方が面白そうですよね。

英語は色んな国で長い間使われてきているだけに
やはり奥が深いというか
おっしゃる通り、韻を踏むおしゃれさもあり
なかなかあなどれないと思っていますw
2011/05/24(火) 20:40:30 | URL | あけぼの #-[ 編集]
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