アメリカの大手ゲイブログAfterEltonで選ばれた「最高のゲイ映画50」を1位から順にレビューしていく企画
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モーリス
1987年製作のイギリス映画、

“Maurice”が「最高のゲイ映画」5位でした。
maurice

『モーリス』はイギリス文学界の大御所、E.M.フォースター先生の同名の小説の映画化。というわけで、このリストの中では異色の「文芸作品」。

『蜘蛛女のキス』も『夜になる前に』もスルーされているのに、なぜこの映画だけが5位なのか?

というわけで、まずは超簡単なあらすじから。

物語の舞台は20世紀初頭のイギリス。

主人公のモーリス↓(ジェームス・ウェルビー)は、少年の頃、先生から男女の違いについて性教育を受けた時に、「僕は結婚しないと思います。」って宣言した本物(笑)
james wilby

その彼がケンブリッジに入学して恋に落ちた相手は、お金持ちの地主の息子、クライブ↓(ヒュー・グラント)でした。
Hugh Grant

でもクライブは自分の方からモーリスに「好きだ。」って告白した癖に、モーリスがキスしようとしても拒みます。彼の理想は、プラトニックな同性間の「崇高な愛情」だったのでした。

大学を卒業した二人は、その後も「親しい友人」として家族ぐるみの付き合いを続けますが、やがてかつての同級生がソドミーの罪で有罪の判決を受けるという事件が起こり、怯えたクライブはモーリスと決別します。(ご存知とは思いますが、イギリスでは1967年になるまで、同性愛は犯罪。)

ところがそれから数年後、結婚したクライブが突然、モーリスを自分の屋敷に招待するのでした。

地主のクライブはシティで働くモーリスより階級が上で、田舎に大きな屋敷を構え、沢山の使用人に囲まれて暮らしています。

その使用人の一人が、猟番のアレック↓(ルパート・グレーブス)。
Rupert Graves

クライブと再開して以来、自分の「病気」を治そうと精神科医の元に通うモーリスでしたが、クライブの屋敷に泊まった夜、部屋に忍び込んできだアレックに優しく押し倒され♪本格的にそっちの世界に引きずり込まれます。

最初は、アレックが自分を脅迫するつもりでいるんじゃないか、って怯えるモーリスですが、やがて彼を愛していることに気づき、アメリカに移民するっていうアレックを引き止め、最後は二人でラブラブにv



このラストシーン、窓の外に居ないモーリスを見つめるクライブに、思わずホロッときちゃいました。奥様が可愛い人なだけに、何だか切ない…。

この映画は原作の『モーリス』にかなり忠実につくられているんですけど、その原作はフォースター先生の死後、1971年になってやっと出版されたそうです。

1967年までは同性愛は犯罪だったわけだから、当然『モーリス』みたいな作品は出版できなかったわけですけど、もしエンディングがハッピーエンドじゃなかったら、もっと早く出版できただろう、ってフォースター先生が1960年に書いた“Terminal Note”でおっしゃってるそうです。

「幸せな終わり方が、とりもなおさず犯罪である」

ゲイである主人公を不幸なまま自殺させる。

そういう落ちだったらもっと早く公表出来たし、世間も納得させられたっていうこと。

だけどフォースター先生はあくまでハッピーエンドに拘ったわけです。

それも身分の違う二人が、それぞれの家族も、約束された未来も捨てて、二人だけの世界で幸せになるっていうお話。(この後、二人は森の奥に隠れ住む木こりになる、という設定。)

イギリスの「森」とか「自然」を、階級制度の外にあるユートピアとして描いたお話と言えば、1928年に書かれたD.H.ローレンスの『チャタレイ夫人の恋人』(男女ラブ)が思い浮かびますけど、『モーリス』は実はそのずっと前、1913年に完成していたそうです。

絶対にモーリスとアレックにハッピーエンドがありえない時代、こんな話を書いたことがバレたら刑務所行きは確実だった1913年に、あえて希望と愛に満ちたエンディングをお描きになったフォースター先生。

映画としてのクオリティの高さにおいて、他の「ゲイ的要素のある文芸映画」が『モーリス』より劣るというわけではもちろんないけれど、『モーリス』には原作者がどうしても譲れなかった「幸せな未来」があるのでした♪

まさにこの理由で、この映画は「最高のゲイ映画」トップ5に選ばれたのではないか?

というわけで、今回はこの映画が第5位であることに素直に納得v

誰が何と言っても、やっぱりハッピーエンド!

(≧▽≦)ノ

もちろん良い男が3人↓も出演している、というのも大事なポイントでしょうけど(笑)
maurice02

最後は例によって予告編、と言いたいところですけど、つべに予告編が載ってなかったので、美しいオリジナル・スコアが流れるオープニングを貼っておきます。


チャーン、チャン、チャーン、チャン、タタ、タンタン、ターン、ターン~♪(←いや、だからね;;

この印象的な曲は、リチャード・ロビンスさんという方のオリジナルで、彼はマーチャント・アイボリー・プロダクション製作の「EMフォースター三部作」と言われる作品(『眺めの良い部屋』『ハワーズ・エンド』『モーリス』)、全ての作曲を手がけられたそうです。

でもロビンスさんは、この三作品以外の映画には、殆ど楽曲を提供していらっしゃらないとか。こういう作品のように、重厚で美しい画面にはぴったりの曲ですけど、そうでないと合わないのかもしれないですね。

それで次は6位の『トリック』について書くつもりだったんですけど、その前に一度、このリストに載っていない映画、というかまたドキュメンタリー作品をご紹介させて下さい(汗)

『モーリス』について書いてるうちに思い出した、イギリスの悪名高いソドミー法(Buggery Act)についてのドキュメンタリーがあって、それが結構面白かったのですv
(↑何度もリストから外れてすみませんっ!)

追記:

全く追記するほどのことじゃないんですが(汗)その昔、別ブログでこの映画のレビューを試みて、完全玉砕したことがありました…。私が映画レビューなんて始めたのがいかに無謀か、、、未だにこんなんですし;

追記2:

くろみみらんど』のくろみみさんからの最新情報!

『モーリス』がW○W○W様で9月17日の夜7時に放映されるそうです(9月29日の午前11時半に再放送)。ご覧になれる方はぜひ~♪

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コメント
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2009/02/06(金) 03:31:20 | | #[ 編集]
内緒のコメ様、こんばんは
同じ映画を見ても、人によって感じ方が違うから面白いですv

クライブはほんとに自業自得ですよね。
結婚してから屋敷に招いたり、モーリスにも自分と同じように「ちゃんとした生き方」をして欲しいって押し付けたり、そうしたらモーリスにずっと傍に居て貰えるって思ったんでしょうけど、おっしゃる通り、そういうとこスゴク捻くれてる^-^
でもモーリスも途中かなり嫌な奴ですよね?
母親とか妹を何だと思ってるんだ!って感じだし、アレックに対しても、自分勝手なことばっかり言って、自分の方が階級が上なんだってこと意識しまくり。
私がアレックなら、絶対アメリカに行っちゃう(笑)
アレックが残ってくれたから良かったけど、そうじゃなかったら、モーリスもクライブと似たような人生を送ることになったかも?

クライブは最後まで階級制度から逃れられない小心者に描かれてるけど、そんな彼も学生の頃は少しだけ自由でいられたんだろうって思いました。
ラストシーンの窓の外の闇は、これからも続く、クライブが生きる閉鎖的な世界で、笑って手を振るモーリスは、そんな昔の夢みたいで眩しかったり…。
「モーリス=本当の自分」を選べなかったクライブも、彼の階層の犠牲者だと思うので、あのラストを切なく感じました。
自分も小市民だし、色んなことに負けながら生きてるズルイ大人だから、余計にそう思うのかも;;

アレックとモーリスが幸せになるかどうか…
原作者のフォースター先生は、ありえないって分かっててこのエンディングをお書かきになったんじゃないか?そう感じたので、最後はファンタジーとしてみちゃいました。
そこまでは当時の社会背景とか、登場人物の行動とか、結構リアルに書かれているけど、ラストだけは
「シンデレラ」…いや「白雪姫」?
物語の最後で、お姫様が本当に王子様と幸せになれるかどうか、考えないのと同じレベルのハッピーエンド。
どう考えてもあの無計画なラストで、これから先ずっと経済的に上手くいくとも、犯罪者(同性愛者)として捕まらずに隠れて過ごせるとも思えず、まあ、その辺のリアリティが無いに等しいところが、ファンタジーなんだろうなって…(←意味不明;;)

ただこのリストに載っている映画に、feel good movie、見終わった後、ハッピーになれる映画がすっごく多いんですけど、中には単にthrow away movie、つまり見終わった後、何も残らずに片っ端から忘れてしまうような出来のものもあり(汗)、そういう意味では、この映画は当時の社会背景をきっちり描き込んであるし、色んなことを考えさせてくれる良い映画だと思いましたv

こちらこそ丁寧な感想頂いたのに、上手にお返事出来なくてすみません(_;)
これに懲りずに、また覗いていただけると嬉しいです^▽^
2009/02/07(土) 12:00:08 | URL | あけぼの #-[ 編集]
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2009/02/10(火) 01:19:34 | | #[ 編集]
秘密のコメ様、こんばんは
なるほど~。
モーリスの我まま振りも、そう考えると「痛々しくて可愛い。」って言われるの、分かります。
アレックは本当に良い人でしたよねv
あのキャラは、3人の中で一番リアリティがないと思ったんですけど、ラストをハッピーエンドにするために、モーリスの前に現れた「王子様」だから良いのかなー、って(笑)
ファンタジー説に一票ありがとうございました^-^

>ぞっこん好みの俳優が演じていれば、三流映画もファンにとっては一流に
それなんですが!(←急に張り切る!?)
好みの俳優さんでも、やっぱり映画が変過ぎると無理ですっ。
萌えられませんーっ!(←おい;;)
逆に、「この俳優さん、好きだったのに…」ってなっちゃいます><
それと、俳優さんの演技だけは良いのに、映画自体が駄目で「もったいない…」って思うこともあります。
私の場合、俳優さんだけでは駄目っていうか、ビジュアルだけでは駄目みたい。
そこら辺はおっしゃる通り、人それぞれなんでしょうけど…^-^;
2009/02/11(水) 21:50:08 | URL | あけぼの #-[ 編集]
久々に・・・
おじゃましますw
あけぼのさんのレビューを読んでちょっと読んでみたいなって思いました!けどレンタルあるのかなー(汗;)
無知なもんで1967年までイギリスでは、同性愛が犯罪だったなんて知らなくて、ビックリしました(°Д°)
刑務所行きは確実だったとか・・・そんな時代に書かれた作品に興味が湧いてきました!いつか見ること(または読むこと)ができたらいいんですが・・・
2009/02/19(木) 07:12:08 | URL | ぬっこ #5spKqTaY[ 編集]
ぬっこさん、こんばんは
日本ではDVDがレンタルされてなくて、セルDVDは売ってるけど、ものすごーーーーく高いんだそうです。
これこそ、ほんっとに良い映画なのに不思議…。
ウィキピディアによると小説は翻訳が出版されていて読めるらしいんですけど、アマゾンで古本しか売ってない。
ってことは…絶版?!
でも古本は安い!(47円より♪)
小説の方が当時の時代背景とか細かく描かれているから、却ってお勧めかも(安いしww)

私も1967年まで犯罪だった、っていうのは知りませんでした。
しかも自分の家に居ても警察が踏み込んでくるなんて、考えられませんよねっ><

(それと「吸血鬼」サンキューでしたっ!常に続きが気になる展開ww感想はまたメールさせて頂きます~☆)
2009/02/19(木) 20:29:30 | URL | あけぼの #-[ 編集]
こんにちは。
モーリス、見ましたよー。
原作も読みました。(よく覚えてないけど)
映画も良かったし、とにかく音楽が素晴らしかったですよね。
しかし、クライブって人は、ゲイなのかヘテロなのかあんまりよくわからなかったんですが。(^^;)
モーリスと付き合ってたときはプラトニックを主張してたので、単なる同性愛への憧れなのかと思いきや、
終盤でモーリスが手を振ってるシーン(幻)があったりしたので未練があったのか・・・
とか。うーむ。
ところでヒュー・グラント以外のお二人は(とくにモーリス役)は今も役者として活動しているんでしょうか?
当時、映画雑誌で、同性愛の役を演じたことについての彼らのインタビュー記事を読みましたが、あんまりイイコメントじゃなかったって記憶があり、
映画が良かっただけに、役者の本音で“乙女の夢を壊さないでー”(><)と、
思ったりしました。自己弁護したかったのかもしれませんけど。
その点、ジャックを演じたジェイク・ギレンホールのコメントは良かったような・・・ってどれも、けっこーウロ覚えなんですよね(^^;)すみません。
昔、テレビで放映してたのを録画したVHSテープが家に残っていて、
久々に『モーリス』見たくなりました。
長くなってすみません。m(__)m
2009/09/05(土) 04:27:50 | URL | jumpi #w7E8CPEA[ 編集]
jumpiさん、こんばんは
jumpiさんも、モーリスご覧になっていらっしゃったのですね~。
しかもちゃんと録画済みでいらっしゃったなんてv

私もヒュー・グラント以外のお二人がどうされているか知らなかったんですけど、ウィキピディアをチラッとみたら、今でもTV映画とかドラマには出演なさってるみたいです。
るぴ子さんのお宅(『鈴口からお邪魔します』)でもおっしゃっていたんですけど、二人とも2007年にはClapham JunctionっていうイギリスのゲイTV映画に出てたそうなんですねv
ただかなり昔とお顔が違うのか、映画をご覧になったるぴ子さんにも分からなかったとか…^^;

ゲイ役を演じたからってブツブツ言うのはほんと止めて欲しいですよね;
後からゴチャゴチャ言うくらいなら最初からやるな、って感じ…。
ヒース・レジャーもジェイク・ギレンホールも、複雑なキャラを演じられて幸運だったし、アン・リー監督と仕事が出来てたことを感謝してる、っていうナイスなコメントしか聞いた覚えがないです。
プロならそのくらい自分の仕事にプライドを持つのは当たり前ですよね~。

こちらこそ、お返事が長くなってすみませんでした;
2009/09/06(日) 21:32:17 | URL | あけぼの #-[ 編集]
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